和歌山の柿は全国有数の産地です

和歌山県は全国トップクラスの柿の産地として知られ、9月頃から晩秋にかけてさまざまな品種が出荷されます。

中谷早生や刀根早生、平核無(ひらたねなし)、富有柿など、それぞれ旬や食感が異なるため、秋の間にさまざまな味わいを楽しめるのが魅力です。

一方で、「和歌山の柿はなぜ有名なの?」「たねなし柿は渋柿なの?」「紀の川柿って品種なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、和歌山県紀の川市で実際に柿を栽培しているきただ農園 まーくん家の視点も交えながら、和歌山県産柿の特徴や旬、主な品種、選び方をわかりやすく解説します。

「和歌山県産柿についてまず全体を知りたい」という方に向けた総合ガイドです。

旬や品種ごとの詳しい内容は関連記事もあわせてご覧ください。

和歌山県はなぜ柿の産地として有名なのか

和歌山県が柿の産地として知られる理由は、全国有数の収穫量を誇ることと、柿づくりに適した自然環境にあります。

農林水産省の令和6年産作物統計によると、和歌山県の柿収穫量は32,100トンで全国1位です。

この数字は令和6年産の収穫量であり、毎年順位が変動する可能性はありますが、和歌山県が日本を代表する柿産地の一つであることに変わりはありません。

県内でも特に柿栽培が盛んな地域は、

  • 紀の川市
  • かつらぎ町
  • 橋本市
  • 九度山町

など紀の川流域です。

この地域は昼夜の寒暖差があり、水はけの良い傾斜地も多く、柿の栽培に適した条件がそろっています。

そのため、家庭向けから贈答用まで幅広い品質の柿が生産され、全国へ出荷されています。

紀の川市は和歌山県を代表する柿産地の一つ

「きただ農園 まーくん家」がある紀の川市も、和歌山県を代表する柿産地の一つです。

まーくん家でも柿を栽培し、中谷早生・刀根早生・平核無・紀の川柿として出荷する柿など、収穫時期が異なる品種を育てています。

和歌山県全体ではさまざまな品種が栽培されていますが、農園によって育てている品種や栽培方法は異なります。

この記事では和歌山県全体の特徴と、実際に私たちが栽培している内容を区別しながらお伝えします。

和歌山の柿の旬はいつ?

和歌山県産柿の旬は秋ですが、「〇月が旬」と一つに決めることはできません。

理由は、品種ごとに収穫時期が少しずつ異なるためです。

和歌山県では9月頃から収穫が始まり、品種が順番に切り替わりながら晩秋まで出荷が続きます。

例えば、

  • 中谷早生
  • 刀根早生
  • 平核無
  • 紀の川柿
  • 富有柿

というように、季節の移り変わりとともに店頭に並ぶ柿も変わっていきます。

そのため、「和歌山の柿」と一言でいっても、時期によって味わいや食感が異なります。

 和歌山県産柿の詳しい旬と、産地直送ならではの違い

品種が変われば楽しみ方も変わる

収穫時期が違えば、果肉の食感や果汁感、好まれる食べ方も少しずつ変わります。

秋の初めにはシャキッとした食感を楽しめる品種が出始め、季節が進むにつれて味わいや食感にも変化が生まれます。

和歌山県産柿の魅力は、「秋の間ずっと同じ柿が並ぶ」のではなく、その時期ならではの品種を楽しめることです。

和歌山で栽培される主な柿の品種

和歌山県ではさまざまな柿が栽培されています。

その中でも代表的なものをまとめると、次のようになります。

名称 種の有無 甘柿・渋柿 出荷時期の目安 特徴
中谷早生 ほぼ種なし 渋柿 9月頃〜 極早生品種。脱渋して出荷される。農園や販売現場では「中谷柿」と呼ばれることもある。
刀根早生 ほぼ種なし 渋柿 9〜10月頃 和歌山県を代表する早生品種。やわらかめの食感になりやすい。
平核無 ほぼ種なし 渋柿 10月頃〜 全国的にも広く栽培される人気品種。紀の川柿の原料になることも多い。
富有柿 種ありの場合が多い 甘柿 11月頃〜 樹上で甘くなる甘柿。しっかりした果肉が特徴。
紀の川柿 品種ではない 渋柿由来 10〜11月頃 平核無などを樹上で脱渋して仕上げる和歌山県紀の川地域のブランド。

※出荷時期は天候や栽培地域によって前後します。

中谷早生

中谷早生は、シーズンの始まりを知らせる極早生品種です。

農園や販売現場では「中谷柿」と呼ばれることもありますが、正式な品種名は中谷早生です。

収穫後に脱渋を行うことで、甘く食べやすいたねなし柿になります。

大きさは、少し小ぶりになります。

刀根早生

刀根早生は、和歌山県を代表する品種の一つです。

果肉は比較的やわらかくなりやすく、なめらかな口当たりを好む方に人気があります。

スーパーなどで見かける「和歌山県産たねなし柿」の多くも、この品種であることがあります。

平核無

平核無は全国でも広く栽培される渋柿です。

脱渋すると甘くなり、そのまま生食用として楽しまれます。

また、紀の川柿として仕上げられる際の代表的な品種でもあります。

富有柿

富有柿は甘柿の代表的な品種です。

渋抜きをしなくても樹上で甘くなるため、渋柿とは特徴が異なります。

しっかりした果肉で、シャキシャキした食感を楽しめることから人気があります。

紀の川柿は「品種」ではありません

「紀の川柿」は品種名ではありません。

平核無などの渋柿を木になったまま一つずつ袋で包み、樹上で脱渋して仕上げる栽培方法・ブランドを指します。

そのため、「紀の川柿という品種がある」と考えてしまう方もいますが、実際には栽培方法やブランド名の違いです。

通常のたねなし柿とは仕上げ方が異なり、和歌山県紀の川地域ならではの特徴を持つ柿として知られています。

たねなし柿は渋柿なのになぜ甘い?

「渋柿なのに甘い」という説明を聞いて、不思議に感じたことはありませんか。

実は、和歌山県で多く栽培されている中谷早生・刀根早生・平核無は、いずれも渋柿の仲間です。

そのまま収穫しただけでは渋みが強く、生食には向いていません。

しかし、収穫後に適切な脱渋(だつじゅう)を行うことで、渋みが感じられなくなり、甘くて食べやすい柿になります。

スーパーで販売されている「和歌山県産たねなし柿」の多くも、このような工程を経て出荷されています。

「種がない」と「渋柿」は別の特徴

ここで知っておきたいのが、「種がないこと」と「渋柿であること」は別の特徴だということです。

「たねなしだから甘い」「渋柿だから種がある」というわけではありません。

例えば、刀根早生や平核無は、ほとんど種が入らない一方で、もともとは渋柿です。

反対に、富有柿は甘柿ですが、受粉の状況によっては種が入ることがあります。

この違いを知ると、スーパーで柿を選ぶときにも品種表示を見る楽しみが増えてきます。

紀の川市の柿農家が感じる品種ごとの違い

和歌山県ではさまざまな品種の柿が栽培されていますが、実際に畑で育てていると、それぞれに個性があると感じます。

例えば、中谷早生・刀根早生・平核無は、収穫する時期が少しずつ異なります。

同じ畑でも、品種が変わるたびに季節の移り変わりを感じるのは、柿づくりならではの楽しさです。

また、果肉の食感や果汁の感じ方も品種によって違います。シャキッとした食感を楽しめるものもあれば、やわらかくなってから甘みがより感じられるものもあります。

どれが一番というより、「どんな食感が好みか」でお気に入りが変わる果物と言えるでしょう。

収穫日はカレンダーだけでは決まりません

「○月○日になったら収穫」と思われることがありますが、実際はそれほど単純ではありません。

その年の気温や雨の量、日照時間によって生育は変わりますし、同じ園地でも日当たりや樹勢によって色づきには差が出ます。

そのため、私たちは毎日畑を見回りながら、果実の色づきや大きさ、実の状態を確認し、「今が収穫のタイミングだ」と判断したものから収穫しています。

自然相手の仕事だからこそ、毎年まったく同じにはならないところも、果樹栽培のおもしろさであり難しさでもあります。


おいしい和歌山県産柿の選び方

店頭に並ぶ柿はどれも魅力的ですが、少しポイントを知っておくと、自分の好みに合った柿を選びやすくなります。

なお、見た目だけで甘さを完全に判断することはできません。品種や栽培条件、収穫時期によっても違いがあるため、ここでは一般的な目安をご紹介します。

果皮にハリがあるものを選ぶ

果皮全体にハリがあり、みずみずしさを感じるものは、鮮度の目安になります。

乾燥してしわが目立つものは、水分が抜け始めている可能性があります。

ヘタがしっかり付いているもの

ヘタが緑色でしっかり付いている柿は、比較的新鮮な状態であることが多いです。

ヘタと果実の間に大きな隙間ができているものは、水分が抜け始めている場合があります。

見た目以上に重みを感じるもの

同じくらいの大きさなら、持ったときにずっしりと重みを感じるものは、水分をしっかり含んでいる傾向があります。

これは柿に限らず、多くの果物にも共通する選び方です。

硬めとやわらかめは好みで選ぶ

柿は硬さによって印象が変わります。

  • シャキッとした食感が好きなら、やや硬めのもの
  • とろけるような食感が好きなら、少しやわらかくなったもの

を選ぶと、自分好みの味わいを楽しみやすくなります。

どちらが良い・悪いではなく、食べる人の好みに合わせて選ぶのがおすすめです。

家庭用と贈答用の違い

家庭用は、多少のキズや色むらがあっても味には大きく影響しないものが含まれることがあります。

一方、贈答用は外観や形がより整ったものが選ばれることが一般的です。

見た目の違いはあっても、味そのものには個体差があるため、「家庭用だからおいしくない」ということではありません。


和歌山の柿を購入するときのポイント

和歌山県産柿を選ぶときは、「和歌山県産」という表示だけでなく、品種や出荷時期にも注目すると、自分に合った柿を選びやすくなります。

品種を確認する

同じ和歌山県産でも、中谷早生・刀根早生・平核無・富有柿など、品種によって食感や特徴は異なります。

気に入った品種があれば、次のシーズンにも選びやすくなるでしょう。

出荷時期を参考にする

秋の始まりから晩秋まで、品種は順番に切り替わります。

「前に食べた柿がおいしかった」と思っても、時期が変われば店頭に並ぶ品種も変わるため、その季節ならではの味わいを楽しんでみてください。

家庭用か贈答用かを選ぶ

ご家庭で楽しむなら家庭用、贈り物には贈答用など、用途に合わせて選ぶと満足度が高くなります。

保存方法も確認する

柿は保存方法によって、おいしく食べられる期間が変わります。

購入後は、できるだけ早めに食べるのがおすすめですが、保存方法を工夫することで鮮度を保ちやすくなります。

関連記事

柿の保存方法については、詳しい記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
【「柿の保存方法」】

産地直送という選択肢も

和歌山県では、JAや直売所、農園の直販など、さまざまな方法で柿を購入できます。

産地直送は、収穫後できるだけ早く発送されることが多く、生産者の情報が分かる点も魅力です。

なお、販売時期や取扱品種は農園によって異なります。

きただ農園 まーくん家の最新の販売状況については、公式ホームページでご確認ください。


和歌山の柿についてよくある質問

Q. 和歌山の柿が旬を迎えるのは何月ですか?

和歌山県産柿は、9月頃から晩秋にかけて品種が順番に旬を迎えます。 一つの時期だけが旬ではなく、中谷早生や刀根早生、平核無、富有柿などが時期をつなぐように出荷されます。


Q. 和歌山県で多く栽培されている柿は何ですか?

和歌山県では、中谷早生、刀根早生、平核無、富有柿などが広く栽培されています。地域や農園によって栽培品種は異なりますが、渋柿を脱渋して出荷するたねなし柿も多く生産されています。


Q. 和歌山のたねなし柿は渋柿ですか?

多くは渋柿です。

ただし、収穫後に適切な脱渋を行うことで渋みがなくなり、甘く食べられるようになります。そのため、スーパーで販売されている和歌山県産たねなし柿も、安心して生食できます。


Q. 刀根早生と平核無は何が違いますか?

どちらも代表的なたねなし渋柿ですが、収穫時期や食感に違いがあります。一般的には刀根早生の方が早い時期に出荷され、平核無はその後に旬を迎えます。

詳しい違いは、別記事で比較して紹介します。


Q. 紀の川柿は品種名ですか?

いいえ、品種名ではありません。

紀の川柿は、平核無などの渋柿を樹上で脱渋して仕上げる、和歌山県紀の川地域のブランド・栽培方法です。


Q. 和歌山県産柿はどこで購入できますか?

JA直売所、農産物直売所、スーパー、オンラインショップ、農園の直販などで購入できます。

販売時期や取扱品種は販売先によって異なるため、最新情報は各販売先の公式サイトで確認するのがおすすめです。

まとめ

 

和歌山県は全国有数の柿の産地として知られ、紀の川市をはじめとする地域では、秋になるとさまざまな品種の柿が収穫されます。

「和歌山の柿」とひとことで言っても、中谷早生・刀根早生・平核無・富有柿など、それぞれに旬や食感、特徴があります。また、紀の川柿は品種ではなく、樹上で脱渋して仕上げる紀の川地域ならではのブランドであることも、和歌山県産柿を知るうえで大切なポイントです。

さらに、スーパーで見かけるたねなし柿の多くは、もともとは渋柿ですが、適切な脱渋を行うことで甘くおいしく食べられるようになります。この仕組みを知ると、普段何気なく選んでいる柿も、より興味深く感じられるのではないでしょうか。

私たちきただ農園 まーくん家でも、和歌山県紀の川市で中谷早生・刀根早生・平核無などを栽培し、品種ごとに収穫時期を見極めながら、一つひとつ大切に育てています。

和歌山県産柿は、品種ごとの違いを知ることで楽しみ方が広がる果物です。ぜひ旬の時期に、それぞれの味わいを食べ比べてみてください。

詳しい旬や栽培品種については、関連記事もぜひご覧ください。